こんちわ。
決済関係のニュースがあったのでニュースの概要と深堀をしてみようと思います。ドコモのQRコード決済「d払い」についてです。
もくじ
ニュースの概要
NTTドコモはスマホに表示させたQRコード、バーコードを使って実店舗での買い物代金を毎月の携帯電話料金と合算して支払いできる決済サービス「d払い」を2018年4月に開始する。
d払いはアプリ上に表示されたQRコードを加盟店のPOSレジや決済端末で読み取ることでキャッシュレス支払が可能。dポイントも貯まる。
ドコモは既に展開しているiDなどの決済サービスと共にキャッシュレス化を推進する考え。
加盟店側にとってはスマホ決済におけるPOSレジの改修が不要で、市販のタブレットと専用アプリの導入でサービス提供可能。
d払いは現在10社計1万9千店舗での取り扱いを予定、早期に10万店舗以上への拡大を目指す。
決済サービスの現状
国内の状況
現在は様々な決済サービスが展開されています。交通系電子マネーのSuicaやPasmoだったり、スマホ周りだとApple PayやAndroid Pay、Felicaおサイフケータイ、アプリだとLINEあたりが有名どころでしょうか。
日本全体では世界と比較してモバイル決済が利用されていないとか、現金至上主義とか言われますが、本当にそうなのかと調べてみると面白いレポートが見つかりました。日銀の調査レポートです。
決済システムレポート別冊「モバイル決済の現状と課題」 : 日本銀行 Bank of Japan
面白いところだけ抽出すると、
・店頭でモバイル決済を利用する日本人は6%、米国やドイツでも数%程度と実は大差無い。反対に中国は98%、ケニアでは77%と高い割合。
⇒従来型の金融サービスが行き渡っていない国では急速な広がりを見せている。
・電子マネーの利用額は日本が世界1位で約400億ドル。2位のイタリアには倍以上の大差をつけている。
・電子マネーにクレジットカード、デビットカードを加えたカード決済の全体金額を見ると、日本では民間消費支出の2割を占める
⇒日本人は電子マネー好き?
・決済用カードの保有枚数を見ると、日本は平均7.7枚で2位。1位はシンガポールで約10枚、3位は韓国で約6枚。
・カード決済額でみると、日本は14位、決済額の対GDP比率も低いグループ。
⇒カードは大量に持っているが、利用されていない状況。
ということが書いています。
私の考えですが、日本人の現金主義というのは恐らく事実としてあるものの、それは現金である必要は無いんだと思います。現金が電子化された電子マネーも、現金として捉える人が多いのではないかと。
SoftbankとKDDIの動向
今回のd払いのような店舗側にタブレットを置くだけで導入できる決済サービスは、他社では今のところ無い模様。不思議なことにサービス価格が横並びになる日本の携帯キャリアのことですから、少し待てば同じようなサービスが雨後の筍のようにでてくるものと思います。
KDDIは2017年の12月に指紋でお買い物ができるサービスの試験をやっているようですが、他に目立った取り組みはないっぽいです。
個人的に気になっているのはSoftbankです。Softbankも店舗でお手軽に導入できる決済サービス(オフライン決済と言うらしい)は無いようです。が、Pepper君を使って同様のサービスは出来るようです。
Pepper君自体がどこでも導入できるものではないので、ソリューションとしての販売になっていますが、Pepperオプション的な位置づけでやっているようです。
Pepperによる決済を可能にする法人向けソリューション「レジ for Pepper」を提供開始 | ソフトバンク株式会社 | グループ企業 | 企業・IR | ソフトバンクグループ
まぁPepperはどうでもいいとして、私が気になっているのは中国のAliPayです。2018年に日本市場に参入するようなんです。アリペイは中国のアリババグループの子会社が運営している決済サービスとなっています。アリババの社長とSoftbankの孫社長はお友達ですから、この2社が組んで日本展開を狙うのではないかと想像しています。
d払いはあくまで個人と加盟店でのBtoC決済です。個人間送金は発表内容に含まれていないので出来ないのでしょう。アリペイは個人間送金が出来ますので、より現金に近い扱いが出来ます。アリペイが日本市場に参入するとなったら、一部Softbankの事業ともぶつかるわけですから、鼻の利く孫社長が何もしないとは思えないです。まぁ想像ですけど。
d払いで3か月後支払いができるのではないか?
d払いは月々の携帯電話支払に乗せて支払うことが出来るようなので、工夫すれば支払いを遅らせることができるのではないか?
私はドコモユーザで利用料金はカード払いにしています。請求をよくよく見てみると、10月に使った分の支払いは12月末に引き落とされています。
ということは、10月1日にd払いで買い物をすると、請求は12月末になるのではないか?
冒頭の日経記事によると、
-店舗でバーコードを読み込むことで、毎月の携帯電話料金と合算したお支払いが可能に-
とのことなので、その月の携帯電話料金の中に含めて翌月以降の支払いとなるか、単にd払いの引き落とし日を携帯電話料金の引き落とし日と合わせるだけなのかはわかりません。
実際にサービスインして詳細が分かるまでは不明ですが、ちょっと興味深いですね。3か月後の入金をあてにしていたユーザがお金を工面できなくてd払い難民が発生するか、はたまた全然使われないか。
最後に所感
d払いにしろ、クレジットカードにしろ、電子マネーにしろやっていることは全部同じです。払い方にそれぞれ特徴があるものの、単にお金を払っているだけです。
なのでユーザの立場からすると個人の考えにフィットする決済手段であれば何でもいいと思いますし、そのための選択肢が多いというのは非常に良い環境であると思います。
ただ先を考えずに結果的にガラパゴスな仕組みになるくらいなら、世界標準を狙う海外の決済サービスを素直に導入する方がいいです。アリペイなどの世界を狙うサービスと戦う覚悟がないならやるなと。d払いはシンプルな仕組みなのでそこまで多額の開発費用がかかっているとは思えないですが、原資はユーザから集めた携帯電話利用料ですから、中途半端にやるくらいならユーザに直接還元してほしいなと思う今日この頃であります。
おわり